コラム COLUMN
2026.02.10
顧客に選ばれるパッケージデザインとは?作り方とポイント・注意点を解説
商品を手に取る瞬間、消費者が最初に目にするのがパッケージデザインです。
わずか数秒で購入するか棚に戻すかが決まるため、売場で無言のまま商品の魅力を伝える「サイレントセールスマン」として、パッケージは重要な役割を果たします。
本記事では、パッケージデザインの基本的な役割から作成フロー、ターゲットに刺さるポイント、そして制作時に見落としがちな法規制まで、体系的に解説します。
パッケージデザインの役割と重要性
パッケージデザインは、商品の「顔」として多くの重要な役割を果たしています。本項では、パッケージが担う4つの主要な役割について解説します。
【早見表:4つの役割】
| 役割 | 何を実現するか | 例 |
|---|---|---|
| 魅力や価値を伝える | 強みを瞬時に理解させる | コピー、色、写真、アイコン |
| 保護する・使いやすくする | 品質維持と体験向上 | 破損防止、開けやすさ、再封 |
| 付加価値を創造する | 見た目や触感で高級感を演出 | 箔押し、エンボス、紙質 |
| ブランドイメージを定着 | 消費者の記憶に残り、選ばれ続ける | 色・ロゴ・トーンの一貫性 |
商品の魅力や価値を伝える
パッケージデザインの最も基本的な役割は、商品の魅力や価値を視覚的に伝えることです。消費者は売場で商品を選ぶ際、3〜5秒で判断を下すといわれています。この短い時間で商品の強みを直感的に伝える必要があります。
• 伝えるメッセージはひとつだけ(欲張ると埋もれる)
• 目線が最初に行く場所に、核を置く(中央・上部など)
• 文章より先に伝わる要素を優先する(色・写真・形・余白)
【例:価値の見せ方】
• オーガニック化粧品:ナチュラルカラー/植物モチーフで「成分のこだわり」
• 栄養補助食品:「高たんぱく」など機能性ワードを見やすい位置に配置
だからこそ、商品の価値が一目で伝わる設計が必要です。この「瞬間的な訴求力」こそが、店頭で手に取ってもらうための第一歩となります。
商品を保護する・使いやすくする
パッケージの基本的な機能は商品の保護です。輸送中の破損を防ぎ、品質を維持することは大前提となります。
| 目的 | 説明 |
|---|---|
| 保護 |
|
| 使いやすさ |
|
| 体験 | 開けた瞬間に「気持ちよさ」がある(引っかかり・音・動き) |
また、ギフト需要が高い宝飾品では「開封体験」そのものが価値です。開けたときの動きのスムーズさ・内側の質感・商品が収まる美しいレイアウトなど、細部の完成度がブランドへの信頼につながります。
商品に付加価値を創造する
パッケージは、素材や加工によって商品に付加価値を創造します。箔押しやエンボス加工は触覚に訴えかけ、高級感を演出します。紙の質感や重さも、手に取ったときの印象を大きく左右するでしょう。
原紙の白色度が高く、表面が滑らかな紙を使用すれば、印刷の発色が良くなり、洗練された印象を与えることができます。
鏡面加工を施すと、光沢のある美しい仕上がりとなり、高級ブランドにふさわしい佇まいを実現できるでしょう。こうした素材選びと加工技術の組み合わせが、同じ商品でも価値を何倍にも高める力を持っているのです。
商品のブランドイメージを植え付ける
一貫性のあるパッケージデザインは、単なる購入のきっかけを超えて、長期的なブランド認知を高め、消費者の記憶に残る「資産」となります。
【ブランドが「記憶に残る」ための要素】
• ブランドカラー
• ロゴの扱い(サイズ・位置・余白)
• フォントとトーン(上質/カジュアルなど)
• 反復されるモチーフ(柄、線、枠、アイコン)
たとえば、深い緑色と金色の組み合わせを見れば高級茶葉ブランドを、赤と白のシンプルな配色を見れば特定の飲料メーカーを思い浮かべる人は多いでしょう。視覚的な一貫性を保つことで、ブランドは消費者の心に深く刻まれます。
ブランドイメージが確立されると、価格競争に巻き込まれにくくなり、ファンによるリピート購入が期待できます。「このブランドなら信頼できる」という信頼関係が生まれ、継続的な選択へとつながるのです。
パッケージデザイン作成の基本的な流れ
優れたパッケージデザインは、いきなり完成するものではありません。調査・分析・設計の順に整理していくことで、ターゲットに届く表現が見えてきます。
ここからは、作成の流れを5ステップで見ていきましょう。
1:商品のターゲットとニーズを整理する
パッケージデザイン作成の最初のステップは「誰に・いつ・何のために」という基本情報を明確にすることです。ターゲット層の属性(年齢、性別、職業、ライフスタイル)を具体的にイメージし、ペルソナとして設定します。
【ターゲット整理で押さえる項目】
• 誰に:年齢/性別/職業/価値観/購買決定者は誰か
• いつ:季節/イベント/ギフトか自家需要か
• 何のために:用途/使用シーン/期待する体験
さらに重要なのは、消費者の「インサイト(深層心理)」を探ることです。表面的なニーズだけでなく、本人も自覚していない潜在的な欲求を見つけ出します。
「高級感がほしい」という要望の裏には「上層部を納得させたい」といった真のニーズが隠れていることもあります。
2:1の情報をもとにコンセプトを設計する
整理した情報をもとに、デザインの「核」となるコンセプトを設計します。コンセプトとは、パッケージが伝えるべきメッセージを一言で表現したものです。
【コンセプトを作るときの型】
• 誰に(ターゲット)
• 何を(価値)
• どう感じてほしいか(印象)
• どんな場面で(シーン)
たとえば「日本の伝統美を現代的に昇華した上質なジュエリー」というコンセプトであれば、和紙の質感や落ち着いた色合い、余白を活かしたレイアウトなどの方向性が見えてきます。
この段階で、クライアントとデザイナーの認識をしっかりと一致させます。あいまいなまま進めると、後の工程で大幅な手戻りが発生します。コンセプトシートを作成し、関係者全員で共有しましょう。
3:デザインに関するリサーチを行う
コンセプトが固まったら、次は徹底的なリサーチです。競合商品のパッケージを分析し、市場のトレンドを把握します。インターネット検索だけでなく、実際の売場に足を運び「埋もれないか」を確認する実地調査も欠かせません。
【リサーチの方向性】
• 競合:何が多いか/何で差別化しているか
• 売場:棚の高さ/照明/周囲とのコントラスト/埋もれないか
• SNS:どんな見た目がシェアされやすいか(ハッシュタグ検索)
オンラインでよく見えても、実際の売場では見え方が変わります。必ず「現場での視認性」まで確認します。
4:リサーチ結果からアピールポイントを探る
リサーチで得た情報をもとに、競合と比較して「自社にしかない強み」をどこで差別化するかを決定します。
【アピールポイントの切り口】
• 形状:開け方/構造/見せ方
• 素材:紙質/質感/環境配慮素材
• 加工:箔押し/エンボス/コーティング
• 視覚:配色/余白/タイポグラフィ
競合が派手な色使いで棚を埋め尽くしているなら、あえてシンプルで上品なデザインにすることで差別化できます。逆に、落ち着いたトーンが多い市場であれば、鮮やかなアクセントカラーを用いることで目を引くでしょう。
アピールポイントは、商品の特性とターゲットのニーズを結びつけるものでなければなりません。「環境に配慮した素材」や「職人の手仕事」など、具体的で説得力のある要素を選び出します。
5:デザインに落とし込む
いよいよ、これまでの情報を実際のデザインに落とし込む段階です。視覚要素(レイアウト、色、フォント、イラストや写真)を組み合わせ、コンセプトを表現します。
ここで重要なのは、平面のデザインだけでなく、立体物としての見え方を調整することです。
• 試作を作り、実物でバランス確認
• 照明下での発色、手触り、開封時の動きなど五感でチェック
最終的に、デザインの意図や選定理由を言語化し、社内や上層部への説明資料としてまとめることで、説得力が高まります。
株式会社トップウェルのパッケージ製作実績はこちらで紹介しています。作りたいパッケージデザインのイメージを作るためにも、ぜひあわせてご覧ください。
ターゲットに刺さる!パッケージデザインのポイント
消費者に選ばれるパッケージデザインを作るための具体的なポイントを解説します。
分かりやすいビジュアルやコピー
情報過多は禁物です。伝えたいことを欲張りすぎると、かえって何も伝わらなくなります。一番伝えたいメッセージをひとつに絞り、それを目立たせるレイアウトを心がけましょう。
• 写真/イラスト:魅力を直感的に伝える
• キャッチコピー:ビジュアルだけでは伝わらない“こだわり”を補う
写真やイラストは、商品の魅力を直感的に伝える強力なツールです。しかし、ビジュアルだけでは伝わらないこだわりには、キャッチコピーが効果を発揮します。「職人が一つひとつ手作業で仕上げた」といった具体的な言葉は、商品の価値を補完し、購入の後押しとなります。
フォント選びも重要です。高級感を出したいなら明朝体、親しみやすさを表現したいならゴシック体が適しています。
ビジュアルのシズル感
シズル感とは、五感に訴えかける臨場感のある表現です。食品であれば「じゅわっ」とした肉汁や「とろり」とした食感を想像させる写真が該当します。
しかし、シズル感は食品に限りません。以下にも活用できます。
• 化粧品:肌にのせたときの滑らかさ、ツヤ感
• 宝飾品:光の反射、輝き、立体感
• 雑貨:素材の質感、手触りを想像させる見せ方
実物以上に魅力的に見せる技術は、パッケージデザインにおいて欠かせません。
売り場にマッチしたデザイン
パッケージデザインは、販売する場所によって最適解が異なります。スーパーマーケットでは「お得感」が重視されますが、百貨店では「高級感」が求められます。
ECサイトで販売する場合は、サムネイル画像での視認性がポイントです。小さな画面でも商品名が読めるか、他の商品と並んだときに埋もれないかを確認しましょう。売場の特性を理解し、それに合わせたデザインを選択することが成功の鍵となります。
季節感・トレンド感
季節限定商品や期間限定パッケージは「今しか買えない」という限定感を演出し、購買意欲を高めます。
【季節感を出す色の例】
• 春:ピンク、黄緑
• 冬:青、白
トレンドを取り入れることも効果的です。近年は「くすみカラー」と呼ばれる落ち着いた色調が人気を集めています。ただし、長く使い続けるブランドパッケージには、普遍的な美しさを持たせることが重要です。
SNSでシェアしたくなる見た目
現代のマーケティングにおいて、SNSでの拡散は大きな影響力を持ちます。「撮影したくなる」「友人に見せたくなる」パッケージデザインは、消費者自身が広告塔となって認知を広げてくれます。
【「撮りたくなる」を作る要素】
• ひと目で絵になる配色・構図
• ストーリーが伝わるイラスト
• 遊び心のある形状(開け方、見せ方)
アーティスティックなイラストや遊び心のある形状など、シェアしたくなる要素を盛り込みましょう。ただし「映える」だけでは不十分です。中身の品質が伴っていなければ、一時的な話題で終わってしまいます。
パッケージの素材
素材は、世界観を「触れる体験」に変える要素です。高級感を出したい場合は、厚みのある紙や特殊紙など、質感で差が出ます。
【素材で印象が変わるポイント】
• 厚み:しっかり感、安心感
• 質感:上質さ、個性
• 原紙の白色度:印刷の発色、洗練された見え方
上記のように、素材は見た目だけでなく、手に取ったときの納得感やブランドの世界観まで左右します。だからこそ、目的や売り場、予算感に合わせて「どの素材を、どう組み合わせるか」を設計することが重要です。
株式会社トップウェルでは、創業1912年以来培ってきた技術力を活かし、高品質なジュエリーパッケージを提供しています。原紙の選定から印刷、加工まで細部にこだわった製品づくりが強みです。小ロットから対応可能で、多様なニーズに柔軟に応えています。
環境やユニバーサルデザインへの配慮
SDGsへの関心が高まる中、環境に配慮したパッケージは企業の社会的責任を示す重要な要素です。リサイクル可能な素材や生分解性のある素材を採用することで、環境意識の高い消費者からの支持を得ることができます。
トップウェルが行う「Slow Package」は、環境負荷を低減しながらも品質を損なわないサステナブルなパッケージソリューションです。
また、ユニバーサルデザインへの配慮も欠かせません。年齢や身体的特性にかかわらず、誰もが使いやすいパッケージを目指します。開けやすい構造、読みやすいフォント、色覚に配慮した配色など、細やかな工夫が多くの人に支持される商品を生み出します。
【重要】おしゃれなデザインだからといって売れるとは限らない!
デザインはあくまで手段であり、目的は「顧客の行動喚起(購入)」です。いくら美しいデザインでも、ターゲットのインサイトを無視していないか確認することが必要です。
見た目の良さは最低条件です。その上で、中身の価値を正しく伝え、ターゲットの心を動かす要素があるかが成功の鍵となります。デザインの完成度を測る指標は「ターゲットが手に取ってくれるか」「購入後に満足してくれるか」です。
パッケージデザイン制作時の注意点
優れたデザインを作っても、法規制を守らなければ商品化できません。制作時に注意すべき法律と権利について解説します。
表記や表現に関する法規制
パッケージには、さまざまな法規制が適用されます。とくに食品や医薬品、化粧品などは、表示が義務付けられている情報や、使用が禁止されている表現があります。
• 食品衛生法
o アレルギー物質、賞味期限、保存方法などの表示が義務
• 不当景品類及び不当表示防止法(景表法)
o 実際よりも優良であると誤認させる表示は禁止/「業界No.1」などは客観的根拠が必要
• 医薬品医療機器等法(薬機法)
o 医薬品や化粧品の過度な効能表現は禁止
• 容器包装リサイクル法・資源有効利用促進法
o 条件によりリサイクルマーク表示が義務になる場合がある
これらの法律を遵守しないと、商品回収や課徴金、ブランドイメージの失墜につながるリスクがあります。
出典:e-Gov法令検索「食品衛生法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/425AC0000000070)
出典:e-Gov法令検索「不当景品類及び不当表示防止法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/337AC0000000134)
出典:e-Gov法令検索「医薬品、医療機器等の品質、有効性及び安全性の確保等に関する法律」(https://laws.e-gov.go.jp/law/335AC0000000145)
出典:e-Gov法令検索「容器包装に係る分別収集及び再商品化の促進等に関する法律」(https://laws.e-gov.go.jp/law/407AC0000000112)
出典:e-Gov法令検索「資源の有効な利用の促進に関する法律」(https://laws.e-gov.go.jp/law/403AC0000000048)
著作権・商標権
パッケージデザインにおいて、他社のデザインやロゴを侵害しないことは絶対条件です。著作権法では、他人の著作物を無断で使用することが禁止されています。イラストや写真、フォントなども著作物に該当する場合があるため、必ず使用許諾を得る必要があります。
商標法では、他社が登録している商標と類似したデザインやロゴを使用することが禁止されています。商標権の侵害は、法的な問題だけでなく、ブランド価値の毀損にも直結します。デザインを確定する前に、特許庁のデータベースで類似商標がないかを確認しましょう。
出典:e-Gov法令検索「著作権法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/345AC0000000048)
出典:e-Gov法令検索「商標法」(https://laws.e-gov.go.jp/law/334AC0000000127)
まとめ
パッケージデザインは、見た目を整えるだけの作業ではありません。店頭では数秒で「手に取る/戻す」が決まり、ECではサムネイルの中で埋もれずに魅力を伝える必要があります。
そのためには、ターゲットのインサイト(深層心理)を捉え、コンセプトを定め、売り場・販路に合わせた見え方、さらに開封時の触感や動きまで含めて設計することが欠かせません。本記事で紹介した「役割」「作成フロー」「刺さるポイント」「法規制」を押さえることで、選ばれる確率を高めるパッケージに近づきます。
株式会社トップウェルは、1912年の創業以来、ジュエリー業界で培ってきた知見を活かし、ギフト需要にふさわしい上質なボックス・ケースをはじめ、幅広いパッケージづくりを支えてきました。
デザイン提案から生産、簡単なアッセンブリまで一気通貫で対応できるため、「世界観はあるが形にしきれない」「仕様が定まらず検討が進まない」といった段階からでも、ブレない設計に落とし込めます。
方向性整理、素材・加工・仕様の検討、試作、量産を見据えた設計までが可能です。パッケージを「手に取れるブランド価値」に変えたいときは、株式会社トップウェルにご相談ください。
株式会社トップウェルでは、パッケージデザインに関するご相談を受け付けております。企画段階の方向性整理から素材・仕様の検討まで対応可能ですので、ぜひお問い合わせください。



