コラム COLUMN
2025.09.18
パッケージとは何?役割・種類やオリジナル製作時のポイントを解説
商品の魅力を最大限に高めるために欠かせないのが適切なパッケージの使用です。パッケージは中身の保護だけでなく、購買意欲やブランディングにも影響することから重要な要素です。
ただ、「どのようなパッケージを使用するのが良いのか」「既製品を活用するべきか、それともオリジナルで作るべきか」など悩む方も多いでしょう。
今回の記事は「パッケージとは?」というテーマで、概要や役割、種類、選び方、オリジナル製作する際のポイントなどを解説します。
オリジナル製作のご依頼を承っている弊社「トップウェル」のサービスの詳細もご紹介しますので、ぜひ最後までご覧ください。
パッケージとは?
パッケージとは、商品を包むための容器や包装を指し、製品と消費者をつなぐ最初の接点ともいえる存在です。単に「箱」や「袋」といった物理的な入れ物を意味するのではなく、商品の見た目や印象を決定づける重要な要素として扱われます。
英語の「package」には「包装」「詰め合わせ」といった意味があり、日本語でも幅広いニュアンスで使われています。また、パッケージは食品や化粧品、雑貨、工業製品など、あらゆる分野で利用されており、用途や商品特性に応じて形状や素材が工夫されています。近年では環境配慮の観点からリサイクル可能な素材やサステナブルな設計が注目されるなど、社会的なニーズに応じて進化を続けているのも特徴です。
パッケージの役割

パッケージの主な役割として「製品の保護」「情報伝達」「販促・ブランディング」が挙げられます。
製品の保護
最も基本的で重要な役割は、製品を外部から保護することです。輸送や保管の過程では、衝撃や圧力、湿気、温度変化、紫外線など、様々な要因が商品に影響を与えます。パッケージはそれらのリスクから製品を守る盾として機能し、消費者の手元に良い状態で届けるために欠かせません。例えば、食品であれば鮮度を保持するために密閉性や遮光性が求められ、化粧品や医薬品であれば衛生面を確保するために異物混入や酸化を防ぐ構造が採用されます。
また、輸送中の破損を防ぐために緩衝材を組み込むケースや、耐久性の高い素材を使用することも多く見られます。さらに、パッケージは消費者が購入後に自宅で保管する際の保存や開封後の再封のしやすさなど、利便性を高める工夫も施されていることが多いです。このように、パッケージには「製品保護」という大きな役割があり、品質や安全性を保証するうえで欠かせません。
情報伝達
製品に関する情報を消費者へ伝える役割もあります。商品名やブランド、販売・製造元といった基本的な情報はもちろん、食品であれば原材料名や栄養成分表示、賞味期限、保存方法などが明記され、安心して購入・消費できるよう配慮されています。化粧品や医薬品であれば、使用方法や注意事項、成分表示などが法律で定められており、誤使用や健康被害を防ぐうえでも欠かせません。
最近では、QRコードを読み取ることで詳細な商品情報や企業のメッセージ、キャンペーン情報などにアクセスできるケースも増えており、パッケージは単なる説明書きではなく、コミュニケーションツールとしても活用されています。パッケージに記載されている情報は、購入判断にも直結しますので、重要な部分になります。
販促・ブランディング
パッケージには販促・ブランディングにおける役割もあります。店頭に並ぶ数多くの商品の中から消費者が手に取るきっかけの多くは、視覚的な印象によるものです。色や形状、デザインなどで商品の魅力を伝え、購買意欲を刺激することが求められます。例えば高級感を演出するために艶のある紙や重厚感のある箱を採用したり、親しみやすさを出すために柔らかな色合いや手触りを工夫したりと、ブランドイメージに沿ったデザインを施す必要があります。
また、統一感のあるパッケージデザインはブランドの世界観を消費者に浸透させ、リピーターの獲得にもつながります。さらに、パッケージに期間限定デザインなどを取り入れることで話題性を高め、販売促進を促すことも可能です。パッケージは企業のメッセージや価値観を表現する媒体としても機能し、消費者に「このブランドだから選びたい」と思わせることもできます。そうした点から、パッケージは販促・ブランディング戦略の中心的役割を担っているともいえます。
パッケージの種類

パッケージには様々な種類があります。ここでは「形状」「素材」に分けて解説します。
形状
形状は、商品の保護や使いやすさだけでなく、デザイン性にも直結します。代表的な形状として、箱型・袋型・ボトル型・チューブ型などがあります。それらは商品の性質や消費シーンに応じて選択されます。
箱型
食品や化粧品、高級品など幅広い分野で使用されます。形状が安定しているため積み重ねや保管が容易で、デザインの自由度も高く、ブランドイメージを表現しやすいのが特徴です。
袋型
スナック菓子やレトルト食品などに多く使われます。軽量で製造コストを抑えられるほか、ジッパー付きなど再封可能な工夫を施すことで利便性を高められます。
ボトル型
飲料や調味料、洗剤など液体製品に用いられます。中身の量を可視化できる透明ボトルや、持ちやすい形状のボトルなどもあります
チューブ型
化粧品やペースト状食品などに使われ、適量を押し出しやすく、衛生的に使用できるのがメリットです。
素材
パッケージに使われる素材は、製品の保存性や印象に大きな影響を与えます。代表的な素材には紙、プラスチック、ガラス、金属などがあり、それぞれの特性に応じて選ばれています。
紙
印刷適性に優れ、デザイン性を高めやすい点が特徴です。リサイクルしやすく環境負荷も比較的少ないため、持続可能なパッケージ素材としても注目されています。段ボールは輸送時の衝撃吸収に適し、紙箱は高級感を演出できます。
プラスチック
軽量で成形がしやすく、防湿性・耐久性に優れています。食品包装から日用品まで幅広く利用されますが、環境負荷が課題とされており、近年はバイオプラスチックやリサイクル素材の活用が進んでいます。
ガラス
気密性・耐久性に優れ、飲料や化粧品、医薬品などに使用されます。透明性が高く、中身の美しさを引き立てる効果もありますが、重量や割れやすさがデメリットです。
金属
アルミ缶やスチール缶などが代表例で、酸素や光を遮断する性能に優れ、飲料や保存食に広く利用されています。耐久性が高く、リサイクル率も良好な点から環境配慮の観点でも評価されています。
パッケージの選び方

パッケージを選ぶ際、既製品を利用する方法とオリジナル製作をして活用する方法があります。それぞれメリット・デメリットを解説します。
既製品
既製品のパッケージを利用する最大のメリットは、コストと納期の面で優れていることです。大量生産されていることが多いため単価が安く、特に小規模事業や新規ブランドの立ち上げ時にはメリットが大きいでしょう。注文から納品までのスピードも速いため、急な商品の展開や小ロットでの試験販売にも対応しやすい点も魅力です。
一方でデメリットは、デザインや仕様の自由度が限られる点です。同じような形状や素材のパッケージが使われるため、差別化が難しくなり、ブランド独自の世界観を打ち出しにくくなります。また、既製品にロゴやラベルを貼り付けるだけの対応では、消費者に与える印象が弱くなることもあります。そのため、既製品を選ぶ際は低コスト・短納期という利点を活かしつつ、印刷やラベル、シールなどでオリジナリティを補う工夫が求められます。
オリジナル製作
パッケージのオリジナル製作では、自社ブランドの世界観を最大限に反映できる点が大きなメリットです。形状、サイズ、素材、印刷方法まで自由に設計できるため、他社との差別化や商品コンセプトに沿った独自性を打ち出すことが可能です。特に高級ブランドやギフト商品では、オリジナルパッケージでブランド価値を高め、顧客の購買意欲を後押しすることが重要です。また、顧客体験を意識した設計・デザインやエコ素材の活用などを組み込むことで、企業の姿勢や理念を消費者に伝えることもできます。
デメリットとしては、既製品と比べて、初期費用が高く、手間がかかる点が挙げられます。デザイン費用などもかかるため、小ロットでの製造には不向きです。また、製造工程に時間がかかるため納期が長く、急な商品展開には対応しづらい場合があります。
したがって、オリジナル製作は一定の販売数量が見込める場合や、中長期的にブランド価値を高めたい場合に適した方法といえるでしょう。コスト面とブランディング効果を総合的に判断して選択することが重要です。
パッケージをオリジナル製作する際のポイント

ここからは、パッケージをオリジナル製作する際のポイントを解説します。ポイントになるのは「サイズ・形状」「デザイン」「コスト・費用」です。
サイズ・形状
オリジナルパッケージを製作する際、サイズと形状の設計は最も基本的かつ重要な要素です。商品本体に対して適切なサイズを設定することで、無駄な空間を省き、輸送効率を高めることができます。サイズが大きすぎると資材や輸送コストの増加につながり、小さすぎると商品の破損リスクが高まります。
形状は商品を引き立てるようなフォルムを採用することで、差別化を図ることが可能です。さらに、店頭での陳列や消費者の取り扱いやすさも考慮し、開封のしやすさや保管のしやすさといった実用性も重要です。特にギフト用や高級商品では、形状そのものがブランドの印象を左右するため、デザイン性と機能性の両立を意識することが求められます。
デザイン
パッケージデザインは、購買意欲を左右する大きな要因です。色やフォント、グラフィック要素は、商品コンセプトやブランドイメージに合せる必要があります。例えば、高級感を演出するには落ち着いた色合いやシンプルなデザインが有効であり、親しみやすさを訴求する場合は明るい色や柔らかいフォントが効果的です。
商品によっては消費者に必要な情報をわかりやすく伝えるデザインにすることも大切です。成分や使用方法、保存方法などを見やすく配置することで、消費者の安心感を高められます。美しさだけでなく、情報性・機能性・ブランド性を兼ね備えたデザイン設計が不可欠です。
コスト・費用
オリジナル製作の際にコスト・費用に目を向けることも重要です。パッケージは素材や形状、印刷方法、さらには仕上げ加工の有無によって価格が変動します。例えば、高級感を演出するために特殊紙や箔押し、エンボス加工などを取り入れると、見栄えは格段に良くなりますが、その分製作費も上昇します。逆に、シンプルな素材や既存の形状を活用すればコストを抑えることができますが、差別化という点では物足りなさを感じる場合もあるでしょう。
重要なのは、デザイン性と費用のバランスをどのように取るかです。ブランドイメージを損なわずにコストを抑える工夫として、必要部分だけに特殊加工を用いる、印刷色数を調整する、サイズを標準規格に合わせるなどの方法があります。
また、製作業者によって得意分野や価格体系が異なるため、複数の業者に相談して見積もりを比較することも大切です。パッケージにこだわることは商品の価値を高めるうえで大切ですが、過度な投資は利益を圧迫しかねません。適正なコストで最大限の効果を得るために、早い段階から予算と目的を明確にし、戦略的に進めることが重要です。
オリジナルパッケージを製作するなら

オリジナルパッケージの製作をご検討中であれば、企画からデザイン、製造、納品まで一貫して対応できる「トップウェル」にぜひお任せください。1912年の創業以来、100年以上にわたり培ってきた経験と技術力を強みに、多くのお客様から厚い信頼をいただいてきました。
社内に実績豊富なデザイナーが常駐しており、素材や形状の選定はもちろん、ブランドや商品のコンセプトに沿ったオリジナルデザインの提案まで幅広くサポートしております。
国内外300社以上の提携工場とのネットワークを活かし、複雑な形状や複数素材を組み合わせた特殊仕様のパッケージ製作も可能です。小ロットや短納期対応にもできる限り対応し、多様なニーズにお応えしております。
また、パッケージ本体だけでなく、リボンやシール、ノベルティ、什器といった副資材までトータルでご提案可能です。売場演出やブランド全体の統一感を重視したプロデュースも得意としております。検品やアッセンブリにも対応した物流センターも完備しているため、安心してご依頼いただける環境が整っています。
東京ショールームについて
東京本社にはショールームを併設しており、豊富なサンプルを実際にご覧いただきながらご相談いただけます。
見学をご希望の方は、ぜひお気軽にお電話やお問い合わせフォームからご予約ください。
【東京本社】
〒110-0015 東京都台東区東上野1-14-10
TEL:03-3834-5941
製作事例
オリジナルパッケージの製作事例を5つ紹介します。
①抹茶スイーツのパッケージ

インロー型とサークル型のBOXを組み合わせた抹茶スイーツ専用のオリジナルパッケージです。サークル型は天面にフロスト素材を採用し、商品をうっすらと見せることで高級感と遊び心を演出。
外装はオンデマンドプリントによるリーフ柄をベースに、インロー型の隙間部分やサークル型の側面に深緑を配し、抹茶特有の奥深い味わいを表現しました。視覚的にも味覚的にも「抹茶らしさ」を強調できる仕様です。
②冬のイベント用パッケージ

クリスマスやホワイトデーなど冬のイベントをテーマにしたキャラメル式組み立て箱です。四角い形状にカラフルで季節感あふれるデザインを施すことで、積み重ね陳列だけでも華やかな売場演出が可能。
紙質や印刷技法を変えれば高級感を出すこともでき、箔押しや特殊紙を用いることで差別化も実現できます。イベントなどでの短期販売や限定商品に最適な手軽さと視認性があります。
③既製品パッケージのアレンジ

環境に配慮したパッケージシリーズ「スローパッケージ」をベースに、オリジナルデザインの紙帯を巻いて新たな商品パッケージに仕上げました。紙帯は低コストで自由度が高く、多品種展開に柔軟に対応可能。
古紙100%のパルプモールドを使用しており、糊や接着剤を使用せず、環境負荷を最小限に抑えられます。温かみのある質感に、帯デザインで季節感やブランドの個性を加えられます。
④フルーツゼリーのギフトパッケージ

初夏をイメージした爽やかなギフトパッケージ。パール調の用紙にオンデマンドフルカラー印刷でフルーツ柄を施しています。スリーブ式BOXは丸窓から、サークル型BOXはフロストPP天面からカラフルなゼリーが覗き、涼やかで可愛らしい印象を与えます。
透明感と遊び心のある仕様がギフト商品に適しており、内容物の魅力を引き立てるデザインです。
⑤和のギフトパッケージ

桐箱と貼り箱を組み合わせた和風のギフトパッケージです。桐箱は落ち着いた印象を与える質感で高級感を演出し、祝い事やフォーマルなギフトに最適。
内部はサテン生地で装飾し、特別感を高めています。桐以外にもウォルナットやメイプルなどの木材で製作でき、用途に合わせたカスタマイズも可能。伝統美とモダンなデザインを融合させ、特別な贈り物を引き立てる仕様です。
製品のパッケージは重要
パッケージは単なる「包装」ではなく、商品を保護し、情報を伝え、さらにはブランドの価値を高める重要な役割を担っています。様々な形状や素材があり、既製品を活用する方法もあれば、オリジナル製作によって商品の魅力を最大限に引き出す方法もあります。
オリジナル製作の際はサイズ・形状、デザイン、コストのバランスを考えることが大切です。なお、パッケージに関するお悩みご相談等ございましたら弊社「トップウェル」までお気軽にお問い合わせください。



